Monthly Archives: 11月 2025

今年も残す所50日ばかりになりました。ずいぶんご無沙汰しました。

今年は中国公演も4回ほどあってたくさんの若者に来てもらってありがたい、不思議な経験をした。見る限り素朴で真面目な青年達だと思う。

杭州市のとあるカフェに入ったら復帰第1作のCDに入れたオリジナル「早稲田通りのテーマ」「アレンジした稗つき節」「Vento de Maio」のヴォーカルバージョンが立て続けにかかる。誰かがCDを持ち込んだならわかるが、ランダムにかかっているとするとそんな認知されているとも思えない私の音源がかかるというのは何か不思議な気持ちになった。少なくても日本では無い事なので。

帰国後そんな事を話す事はあっても文章を書く気が特別なく、今に至った。

何か半世紀ぐらいの前の日本の比較的素朴な時代の感覚なのかと思う。

アメリカにも、それを追いかけた日本にもかつてジャズ喫茶でのめり込んだ純なジャズは聞こえてこなくなった。

とつとつとした語り口とか空間を裂くシンプルなメロディに浸るとかまるで無い。

雰囲気も色気もあったもんじゃなくただただテクニックで押すみたいなものを見せられても嫌悪感しか感じられないのだが、客もそんな事には気がつかず喜んでいる。今はそっちの方が主流だと思うと世の中危機的だと思う。

そんな中よく参らないでやれていると思う。最近益々何かが削ぎ落とされ、以前の価値観が色褪せているのですが、より本質に向かっているのかもしれない。やっていく中で見えてくる事なんだろうと思う。