Monthly Archives: 9月 2004
断片的な独白(16)
二元論に未来は無い。常に矛盾を孕んでいると言うこと。善と悪、光と闇、相反する要素が対立している世界。これだと人間永久に浮かばれない。音楽の世界だったらさしずめ、エンターティメントと大衆迎合主義(ポピュリズム)、商業主義や芸術至上主義、スピリチュアルとアンダーグラウンド、反社会的生き方みたいなことだろうか?どっちも先が無いよね。すばらしい芸術性と言うか内面に訴えるような、スピリチュアルな生きる力になるような音楽が多くの人に聞かれるようなら良いわけだ。2,3年したらなんだったか思い出せないような、消耗品の音楽じゃなくて、それでいて気難しく、わかる人だけに訴えるような閉鎖的な音楽でもない音楽。トータル性を帯びた音楽。みんな考えてるんだろうけどなかなかできないこと。
『女にモテたきゃ男を磨け』安藤昇著(双葉文庫)
痛快で、電車の中で読んでいても声出して笑ってしまう程おもしろい一冊でした。安藤昇と言えば大分前に実録「安藤組」とかいうタイトルの映画を見た覚えがあるが、やくざの親分が何を言うかと思ったら、「男は、女を歓ばせてやるだけでいい」と言い切ってしまうのだから、気持ちが良い。また、「男は男に生まれるんじゃない、女に磨かれて男になっていくんだ」とか、(一瞬あれっと思ったが別にボ-ヴォワ-ルをもじったわけではないと思う)さらに「一人の男と一人の女が、この地球で同じ時代に生まれるだけでもその偶然は大変な確立だ。ましてその中で一組の男と女が出会ってベッドをともにするということは、ラクダが針の穴を通るようなものだ。そう思えば、相手にはいくらでもやさしくなれるというものだろう。」とも言っている。やさしいこと、自分の気持ちに素直に生きること、本音で生きることはどんなことにも共通して大事なんだということ。道徳的、禁欲的、小市民的な生き方とはおよそ無縁の、むしろ半端でなく遊んだ人の到達した境地。好き放題やっていてもどこかやさしいのは、この人の持って生まれたセンスなのでしょう。理屈ぬきにかっこよいと感じました。読後一つ気になったのは、子供のことが書いてなかったことです。あちこちに子供つくっちゃっている人なのか知りませんが、そのあたりはどう考えているのでしょうか?