是安則克さん逝く

去る9月23日ベースの是安さんが突然逝ってしまった。重度のアルコール中毒を克服し心臓の病をかかえて10何年か頑張っていた。
フリーフォームの演奏でよく知られている彼だが、共に20代の頃から吉祥寺にあった赤いからす等でスタンダードジャズやウタバンの仕事をした。なので、自分が演奏の仕事に復帰して小泉さんから推薦された時すんなりと打ち解けられた感がある。一番惚れ込んだのはその自然なリズム。みんなで一緒にはじまったらまっしぐらにまっすぐ行く。そんなリズム。それとピュアな音色かな。あんな深い重厚なこれぞベースといった音を出す人はちょっといない。基本的には音楽だけの付き合いで、あれこれ話し合ってと言うのも無かったが、その音色同様人柄もピュアな人だったと思う。口を開くとBlokenな発言が多いんだけどね。
ハービーハンコックの曲でほとんど知られていないジェーンのテーマというミディアムスウィングの曲を好きだと言っていた。ちょっと似た感じの私の曲、夕焼けに会いたいも気に入っていたように思う。娘の口をついて出てきた夕焼けに会いたいというタイトルも子供の発想はすごいと感心していた。
わずか6年ほどの間だったけど年いって再会してからの是安さんのプレイは深みと純粋さを増していた。やっぱり音は生きざまなんだとつくづく思う。まだまだ一緒にやりたかったよ。本当にありがとう!
どうぞ安らかに。