子供の頃の話をしてみよう4
映画音楽からポップスの面白さに目覚めた私は、小遣いをすべてドーナツ版につぎ込むようになる。ビートルズのHello Goodbye,Your Mother Should Knowにしびれたのもこの頃か。小六の頃スキーに行ってその時どこかでかかっていたシーカーズのジョージガールなんかも思い出深い曲だ。最初は洋物ばかりだったのだが、当時はグループサウンズ大盛況の頃、学校へ行けばやれタイガースだのブルーコメッツだのと話題は尽きない。感覚的にアンチに走りがちだったので多数の人がタイガースなら自分はテンプターズさらにゴールデンカップスからモップスとマニアックな少数派へと流れていく。といってもラジオの深夜放送で流れる多数の人が聴いている和製ポップスでの話だ。フォーククルセダーズの「悲しくてやりきれない」とかシューベルツの「風」とかもよく聴いた。中3になる頃「卒業」という映画を見てサイモンとガーファンクルと出会う。あのハイトーンの美しいハーモニーは、白人のポピュラーミュージックの伝統的な流れの中で生まれてきたのだろうが、衝撃的ではまった。そしてジャズへのイントロダクションというべきセルジオメンデスとブラジル66’と出会う。今思へばセルメンがジャズ的なサウンド、大人の香りというかある種あこがれていた世界の扉を開いてくれたような気がする。