フットプリンツ2

高校に入ったとたんますますやる気がなくなった私は、入学した前年に高校生のブンザイで学園紛争のまねごとをドンパチやっていた先輩達と意気投合するようになり、だんだん学校をさぼりはじめる。高校は赤坂見附ににあって、坂を上がった所に正門があるのだが、その坂を上がるのがだんだんおっくうになり、すぐ近くの赤坂プラザの地下にあるスナックに(なんと午前中から店を開けてランチをやっているやる気のあるスナック)通うようになる。そして、そこで働いていた元学生運動の闘士?、ドンパチ高校生のマドンナ的存在だったお姉様にジャズの知識を教えてもらう。赤坂から近いせいもありレコードジャズ喫茶の四谷イーグルさんにはよくお世話になってました。あとお茶の水のナルのはす向かいのラーメン屋の脇を入った所にあったジャズ喫茶、名前はなんと言ったかなあ。漫画がたくさん置いてあった。昔のミュージシャンはよくやっていたという話を聞くが、コーヒーかコーラ1杯で2時間、3時間ねばってレコード聴きまくり。コルトレーンから始まってチャーリーパーカー、バドパウエル、セロニアスモンク、ブラウンローチ、エリックドルフィー、ロリンズ、マイルス、ウエスモンゴメリーetc,ハードロックから入ったせいか、友人の影響もあってか、最初はコルトレーンのアバンギャルドに浸っていた。音楽というよりもう直接叫んでるっていうのがそのときの自分にぴったりだった。でもそうこうするうちに、4ビートのリズムが好きになり、抑制が利く所はきいて美しくかっこ良く歌い上げるいわゆるモダンジャズにのめり込む。パーカー、パウエル、ブラウンローチ、ロリンズ等だ。モンクは絶対普通にはやらない変わったこと大好きな根性と、あの独特の間(特にソロの)が好きだった。そんなこんなで学校からはますます遠ざかり、とうとう2年の終わりにやめることになる。ドンパチやっていたやつも卒業が近づき大学受験が近づくと将来のことを考えるから、みんなおとなしくなって消えていったしまう。ま、高校生はその方が良い。私のようなのはドンパチ世代からは一年遅れて来たロストエイジなのに、ロックやジャズの反社会的な空気にどっぷりつかり学校もやめ、レールからは落ちこぼれるところから何かをやらなければいけなくなった。前記のスナックのお姉様も仕事の合間にエレクトーンをかじり始めたという話を聞いたり、高校脱落組の先輩達がジャズバンドを組むらしいという話を聞き、彼らを紹介してもらった。行くと楽器で空いているポジションはピアノかバイブだという。私はピアノはもうたくさんと思っていたのでバイブかと思ったが、先輩が鉄琴と言ったので一気に冷めた。ちょうどエリックドルフィのレコードの中で弾いているマルウォルドロンのピアノのポーンという音が自分に響いて来たので、もう一度やってみるかという気になったのだ。