子供の頃の話をしてみよう2

音楽との出会いは、なんとなくだった。母は6才からピアノを習わせてくれたが、残念ながら面白いと思ったことはほとんどなかった。子供の頃からやれバイオリンやりたいピアノ習いたいと親にねだる子もいるのに、あまりやる気のない子だった。普通の遊び、がん箱とか(知らない人も多いだろうけどゴムボールを手で打つ卓球みたいな遊び)野球とかは好きだったが。それどころか小学校4年の頃にはピアノ教室に行くことがストレスになりチック症という神経症になってしまった。母もやむなくあきらめ、ピアノとは一生縁のないものと思われた。ただ、なんとなくとはいえ親父が聞くクラシックのレコードが部屋に流れると自然と覚えたりしていた。小3ぐらいには日本の五音階調の簡単な曲を作ったりもした。ベートーベンの田園シンフォニーのタッタラタッタ、タッタラタッタというフレーズが何回繰り返されるかとか、魔法使いの弟子という曲で魔法か何かで水が溢れ出す情景がリアルで面白かったとか、そんな感じだ。そしてはじめてピンときて良いなあと思った音楽は映画の音楽だった。母はオードリーヘップバーンが好きで、「いつも二人で」なんて映画を一緒に見に行ったりしたが、オードリーの代表作である「シャレード」が好きだった。ぺぺハラミジョという人のオーケストラでラテンタッチのアレンジ。メロディが物悲しく単調なのにバックが賑々しいアレンジでおもしろいと思った。他に鉄道員とか夜霧のしのび会いとかブーベの恋人とかアコギでメロをとる哀愁タッチの曲。イタリア人情物である。それと有名なダバダバダ、ダバダバダの男と女、フランシスレイの「雨の訪問者」「白い恋人達」等のフランス物だ。