『女にモテたきゃ男を磨け』安藤昇著(双葉文庫)
痛快で、電車の中で読んでいても声出して笑ってしまう程おもしろい一冊でした。安藤昇と言えば大分前に実録「安藤組」とかいうタイトルの映画を見た覚えがあるが、やくざの親分が何を言うかと思ったら、「男は、女を歓ばせてやるだけでいい」と言い切ってしまうのだから、気持ちが良い。また、「男は男に生まれるんじゃない、女に磨かれて男になっていくんだ」とか、(一瞬あれっと思ったが別にボ-ヴォワ-ルをもじったわけではないと思う)さらに「一人の男と一人の女が、この地球で同じ時代に生まれるだけでもその偶然は大変な確立だ。ましてその中で一組の男と女が出会ってベッドをともにするということは、ラクダが針の穴を通るようなものだ。そう思えば、相手にはいくらでもやさしくなれるというものだろう。」とも言っている。やさしいこと、自分の気持ちに素直に生きること、本音で生きることはどんなことにも共通して大事なんだということ。道徳的、禁欲的、小市民的な生き方とはおよそ無縁の、むしろ半端でなく遊んだ人の到達した境地。好き放題やっていてもどこかやさしいのは、この人の持って生まれたセンスなのでしょう。理屈ぬきにかっこよいと感じました。読後一つ気になったのは、子供のことが書いてなかったことです。あちこちに子供つくっちゃっている人なのか知りませんが、そのあたりはどう考えているのでしょうか?