断片的な独白(7)

この世にウラの世界があることを感じはじめたのが、中学生の頃、ヘルマンヘッセのデミアンを読んだ頃だと思う。何か暗い、悪魔的なまだ未知な大人の世界がとても魅力的に見えた。その後、学生運動に首を突っ込むようになって、国家権力というものがどんな動きをするのか、学校の教師が、個人のときの顔と違って、教育管理者という立場にあるときどういう動きをするのか等を経験するうちに、はるか遠いところにではあるが、権力によって動いているウラの世界を実感するもその後ジャズ等という超マイナーな世界に逃げ込んで、世間やお金とはトンと無縁な世界で生きてしまった為に、現実をわからないように生きて来た。バンド社会のゆがんだ自意識、半精神病人のようなヤツにはたくさん会ったが、生々しい金と欲の世界からは、逃避的だった。ミュージシャンでも相当稼いでいたらそういウラの世界の現実もわかったかもしれないが。