断片的な独白(3)

今は、ミュージシャンをやってるわけなんだけれど、自分の知る限りでは、ミュージシャンの人は、楽天的な人が多いように感じる。自分もその一員だから、かなりおめでたい部類に入るのだろうが、すぐそこに破綻がせまっているのに何にも関係なく生きている。弱いのに強い人。がんこなくらげみたいなもんだ。(そんなものいるのか?)音楽は、本来魂の表現だから当然スピリチュアルなものだと思うのだが、現代資本主義の社会では、音楽も物質化されてきているというか、より均一化画一化される方向ある。一山いくらみたいに。まあ、こんな事を書くと職人気質の保守的なミュージシャンから文句がきそうだが、私は全然かまわない。どうせ変ってる方だから。(そうでもないか)私は職人さん好きだけど、世の中や社会のことにまったく無頓着で、ただ自分の世界のことだけでやっているとしたら、接点をもてないですね。特別悲観的でも、暗いわけでも、理屈っぽいわけでもない。高校生の頃街頭デモに参加したからといって、別に左翼でも共産党でもないし。魂の交流が大切なんだからと言ったって、なんかの宗教にはまってるわけでもないし…。ただ普通でいたいだけです。本当のことをわかりたいだけですね。それには、まず良い感性があって、必要な知識もないといけないのですが。
若いときはわけもわからずコントロールされ、年取って少し社会のことがわかってくると自分がいかに操り人形で、使い捨てで、我々庶民はブロイラー、家畜状態で生きているかわかった頃にはにっちもさっちも動けなくなってあきらめて終わるという一丁上り的な人生からの脱出。音楽やってる人が自由等という幻想にはまるべからず。最もバブリーな職種と理解しそれをわかったからまたやることもでてきたというもの。