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いだきとの出会い(2)

「いだき講座」を友人から勧められましたが、自分の生き方を何とかしたいという反面何でもわかられてしまうというのが怖くて、躊躇しました。が、やはり何とかしなくてはということと、この人に会えば何とかなるという直感のようなものもあり受けることにしました。講座でいだき先生は「今のままでいったら50才、60才になったとき自分の人生何だったのだろうというようになるよ」とはっきりおっしゃいました。高麗恵子さんも「世の中大変」というのが母親からきているとのことで、生きにくい自分の傾向をそのまま表現して下さいました。

それは当時仕事でもマンネリにおちいっていて先がない自分の状態そのものでしたし、何か本当の事、本質的な事をわかりたいという、10代の頃感じていたが、忘れかけていた本来の要求がよみがえってきました。 講座で表現されたピアノの音はまさに自分をぴったり表現した音で、驚き、又、大変納得できました。先生の話を聞いていると、自分以上に自分の事をわかっている人だと感じられるのです。薬がやめられなくて困っていると話すとあなたのはまだ大した事無い、先生はステロイドホルモンの投与で、薬害で大変な状態だった。まあそんなに飲みたかったら半分ぐらいにしたらというものでした。そのとおりやると今まで何年もできなかったのに不思議とできたのです。最後は思い切って決心をし、やめましたが、かなり短期間で薬から足を洗うことができたのです。この経験から斎藤先生と出会うことで自分の体質が変わったということがわかりました。今までやろうとしてどうしてもできなかったことが一つ越えられました。と同時に、今度は自分のやっている音楽が虚しくて、虚しくてとてもやってられないというようになりました。音楽家なら誰でもある陶酔した世界というか、自分の好きな感覚の世界が急にちっぽけに感じられて、人前で演奏するのが恥ずかしくなりました。ところが、まわりの人達は前より音がよくなったといって仕事がたくさんくるようになりました。自分としては自信も無く、またテクニックがついたわけでもないのに不思議な気がしましたが、やはり体の状態が変わったからと理解できました。人というのは敏感で何かが変わったなというのを全体の感じとか印象で鋭敏にキャッチします。人間がやっていることなので、技術やテクニック以上に、その人間の体調や状態が変われば当然全体の空気というか発している何かが変わるというのは、ちょっと考えればわかることですが、当時の私は、目先のことばかりにとらわれていてよくわからなかったのです。

ちょうどその頃、不思議と今まで連絡がとだえていた友人から突然電話があり、話をしていると、声の感じが以前と全然違う、明るくなった、何かあったのか?等と聞いてきます。聞かれるままに先生との出会いやコンサートの話をするとそれ行ってみるよとコンサートに来てくれたりするのです。音楽で自分のやりたいことはなくなっていったけれど仕事は増えてきた。しかしやがて音楽しかできない、社会のこと、世の中の事をほとんど知らないで生きている自分がいやになったとき、ちょうど友人から会社を立ち上げるのだけれども営業としてやらないか?という話が来たのですぐに乗りました。ネクタイもまともに締められないところからのスタートで失敗もよくしましたが、なぜかパワーがあるのでめげずにやれるようになっていきました。演奏活動も続けながら昼は営業、夜はライヴの生活がしばらく続きました。以前の自分だったらとっくにへばってしまっていたのにパワーがついたのでやっていけるのです。



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Last Updated: 2008/10/21